愛知県高浜市の小学高学年~中学生20人向け3Dプリンタミニワークショップを企画から行いました。
3Dプリンタの体験部分を名古屋の3Dプリンター関連サービス企業のfabcubeさん(http://www.fabcube.net/)が行い、
その印刷の待ち時間で「3Dプリンタを使わずに3Dプリンタの理解を深める」というミッションで企画を考えました。
ミニワークショップ1)「3Dプリンタ脳を鍛えよう!」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
概要:
「新国立競技場」をまずは自由にデザインスケッチして、その後、それをレゴで組み立ててみよう。
※「新国立競技場」をテーマに選んだのは
・トレンドワードをテーマにすることによって、興味を持って参加してもらう
ことを目的としています。その時々でテーマを変えるといいと思います。
このミニワークショップで使ったワークシートはコチラ。
目的:
自由にスケッチすることと、レゴにする際にスケッチ通りに作れないもどかしさ、
3Dプリンタの建築分野での発展に伴って、制限にしばられない自由なアイデア部分が大事、
ということを訴求します。
準備:
子供たち2~3人のチームに対して、大学生サポーター1人に、子供たちと一緒に考えてもらいました。
ワークショップの流れ:
1)『「はさみ」を使うときに大事なことは?』
チームの関係性を温めるために、簡単なテーマのセッションを最初に行いました。
このワークを通して、「道具を使うには、そもそも何で使うのか、という発想が大事で、
それは3Dプリンタも同じです」ということを訴求し、これから行うワーク全体の
テーマ・ワークショップの意味を伝えます。
はさみを使うときに大事なことについて、5分間ほど思いつく限り、とにかくたくさんあげてもらいます。
5分間たったら、チームごとに順番にひとつづつ上げていってもらいます。
とにかく類似もまとめずホワイトボードに書いていきます。
これにより「自分の意見も認められた」というちょっとした満足感を作ります。
3~4周したら、ホワイトボードの内容をカテゴライズしていきます。
基本的に、安全に関わること、機能性に関わること、サポートに関わること、などが出てきます。
結論として、
「ここに書いたことはすべて大事で、3Dプリンタも同じである」
「これも大事だけど、道具を使う前段階の「アイデア」が今回のワークショップのテーマです」と伝えます。
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2)これ、何?
新国立競技場のザハ案をスクリーンに写して、子供たちに「これ何かしってる?」と聞きます。
トレンドワードを選ぶことで、詳細の説明を省略しつつ、知っていることがテーマになるため
イメージがしやすい状態にします。
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3)子供の自由な発想力を大人に見せつけてやろう!(煽り)
煽ることで、よりワークショップに前向きに参加してもらうよう働きかけます。
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4)デザインスケッチ(30分程)
新国立競技場のコンペレギュレーション(ほぼ本番と一緒)をみせて、まずは自由にアイデアスケッチを
描いてもらいます。
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5)レゴで組み立て(30分程)
デザインができたチームからレゴの組み立てに入ります。
この時に、小さい袋2つをテーブルに置いておき、その中に入れられる分だけレゴを持ってきてもらいます。
このように制限をつけることで、
・ワークの難易度をあげて、よりアイデアを出すポイントを作ります。
・早いチームから色などを選ぶことができ、これは暗に「資源の制限」を含んでいます。
・アイデアスケッチ通りにできない状況を作り出します。
※形になってきたら、実際の人間の目線のように、低い位置から見上げる角度でレゴを撮影すると
より現実感がでて、子供たちは盛り上がりました。
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6)各チーム発表
レゴの組み立てが終わったら、発表者と発表用のシートを準備してもらいます。
その後、順番に各チームのテーブルに参加者全員移動しながら発表を聞いて行きます。
椅子から移動しながら発表を聞いて回るスタイルは、動きが出て良いと思います。
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7)まとめ
振り返りを通してワークショップの意味を再度訴求・印象づけます。
レゴは、建築工法の制限だったり、資源の制限だったりを意味するもので
レゴで作れるもの、という入り口から入ると、デザインもレゴあり気になってきてしまう。
これを「レゴ脳」とすると、
これから3Dプリンタが発展していくことで、新しい建築工法の確立、それに伴う建築予算の低減などが
起こり、最初に描いたスケッチにより近い建築物を作れるようになるかもしれない。
最初のスケッチを考えた時のように自由に考えることを「3Dプリンタ脳」として
最後にメッセージを行い、ワークショップを締めくくります。
完成一例:(スケッチの写真が無いです、申し訳ありません・・・・)
富士山をモチーフにしたスタジアム
トロフィータワー。最上部にスタジアムがあり、中間にはショッピングセンターなどが入っているそうです。
キノコスタジアム。地下には近隣の駅までの地下道やコストコなどの商業施設が入っているそうです。
国旗デザイン富士山スタジアム。冨士山の周りに色んな国の国旗が入っています。
ミニワークショップ2)「3Dプリンタ工房 ミンナ.inc」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
概要:
架空の街に自分たちの3Dプリンタ工房を作るという設定で、その街の住人のお困り事を解決する商品デザインをしてもらう。
このミニワークショップで使ったワークシートはコチラ。
目的:
3Dプリンタがどうやって役に立ちそうか、役立てられるか、3Dプリンタと社会との接点を暗に訴求します
準備:
子供たち2~3人のチームに対して、大学生サポーター1人に、子供たちと一緒に考えてもらいました。
事前にfabcubeさんいによる、3Dプリンタの建築や、医療、ロボット分野での最先端情報を
子供たちにレッスンしてもらい、より広い視野で考えられる前提でワークを行いました。
ワークショップの流れ:
1)設定の説明
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2)お店の名前、看板作り
チームのアイスブレイクをかね、より世界観に入っていけるように、お店の名前と簡易な看板を作ってもらいます。
子供たちは店主であり、そのお店のデザイナーであることを伝え、世界観を醸成していきます。
看板例:
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3)街の住人を作る
ワークシートの「住人カード」を使って、どんなことで困っている、どんな住人か、似顔絵付きで描いてもらいます。
簡易なペルソナ法で、世界観を作っていきます。
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4)くじびき
各チームから出てきた住人カードから一枚くじ引きして、テーマとなる住人をランダムに選びます。
その住人に対して、最適な商品を各チームでデザインします。
同じ住人に対して、全チームで考えることで、いろんな発想にふれ、そういう考えもあるんだ、
という気付きのポイントを作ります。
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5)商品デザイン・商品発表会
レゴの時のように、商品をデザインし、各チームで商品発表を行います。
商品を発表するときに、「3Dプリンタで作れそうな部分・作れなさそうな部分」も一緒に発表してもらい
現実的に考えるきっかけを作っておきます。
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6)まとめ
振り返りを行い、ワークショップを締めます。
3Dプリンタを使うとより身近な人を助ける何かを作ることができ、
それは同じような悩みをもった多くの人の課題を解決するような、
そういうものになるかもしれません、ということを訴求します。
完成例:
今回は「背が低くて悩んでいる 山田さん 17歳 男性」が選ばれました。
・山田さんより背が低い人を大量に作って、人口比率を変える案(すごい発想・・・)
・空中に浮く靴
・かかとが高い靴
・背が変わるロボットで、自分より小さいサイズにして隣をあるかせることで自分の身長を高く見せる案
どのワークも子供たちは楽しくやってもらって、非常に盛り上がりました^^
じっくりワークショップを考えるのは初めてでしたが、思考方法は色んなアイデア考える時と
似ていて、今回の経験からまたブラッシュアップしていけたらと思います。